春闘 ベアと賃上げ

春闘 ベアと賃上げ

春季交渉も中盤です。業績反映を求める一時金は当労組独自の交渉ですが、賃金改善については産業の労働組合(連合)が統一して交渉を進めています。

「私たちの労働の価値はもっと高い」

賃上げは正当な要求です。この主張に水を差す統計があります。日本の一人あたりの「労働生産性」は、OECD(経済協力開発機構)加盟35力国で21番目と低ぐ水準はアメリカの3分の2だというのです。

「日本の労働の質が落ちている」なんて解説もされますが、本当でしょうか?

生産現場で、何台もの自動機を一人で担当い広い職務範囲をカバーしている。
地道な改善活動に協力を惜しまない。こんなひたむきな仕事ぶりが海外に負けているなんて、腑に落ちません。

それもそのはず、この統計は私たちの働き方の効率や労働の成果の大きさをそのままには表していないのです。

「顧客の追加要請に対応したのに追加代金も払ってもらえない」「製造工程を一から見直してコストを下げたのに、それ以上の値下げを求められる」。

製造業の現実です。

労働が生んだ価値はどこへ行ったんでしよう?
ほかの業種も同様で、サービス業にしても、運送業にしても、労働が生み出した価値はなかなか適正に評価されません。

「もうからないから賃金も上げられない」と経営側は言いますが、本来は企業の収益に計上され、働く者にも分配されるべき付加価値を、値下げや客先への過剰なサービス提供に振り向けてきた結果ではないのですか?
お互いに付加価値を買いたたくから、日本はデフレになったのです。

労働生産性を示す統計は、就業者一人あたりのGDP(国内総生産)を比べています。
企業収益として評価されない労働の成果はGDPにも反映されません。日本のGDPは530兆円といいますが、実力はもっと高いのです。真の労働生産性も大きい。だから、日本全体の賃金ももっと高くても良いのです。

大風呂敷を広げました。それぞれの企業労使で交渉を行っていますが、賃金は個々の企業の事情だけで決めるベきではないということです。賃上げは、企業活動が正当に評価される健全な社会への変革の一歩です。

経営者の皆さんには、大きな視点での決断をいただきたいと思います。

日本が明るい春を迎えるためにも。