ワークライフバランス 家族と単身赴任の是非

ワークライフバランス 家族と単身赴任の是非

 

翔平の場合(単身赴任がもたらした家族の危機)

翔平が窓子と子ども二人を関西に残し、九州へ単身赴任して3年が経つ。二人は関西の支店にいた時に知り合い結婚した。窓子は子供ができたのを機に会社勤めを辞めた。

上の子供が小学校の6年生の時、急に翔平に九州支店転勤の辞令が出された。翔平は家族に対し、「九州支店転勤が決まったんだ。子どもの学校のこともあるし、単身赴任で行ったほうが良いと思うんだ。君の実家も関西にあるんだし家族は残った方が何かと便利だろう。」と、窓子に相談することもなく、あわただしく赴任準備をするのであった。

 

翔平は単身赴任後、最初の1年くらいは月1回程度、帰宅するようにしていたが、単身赴任にも慣れてくるとだんだんそれも少なくなってきた。今年は上の子の高校受験の年である。窓子は息子の進路について、帰宅した翔平に何度か相談したのだが、「悪いけど、子どもの教育のことは、身近にいる君が一番わかっているのだから、君に任せるよ。」といい、特に相談にも乗らずに九州へ戻ってしまう状況であった。正直、九州で業務に追われ、久々に関西に帰ってもあれやこれやと、窓子に相談されたりして、ゆっくりくつろげないということも、翔平の足がなかなか自宅に向かなくなっている理由のひとつでもあった。

 

「あなた、来週の月曜日に担任の先生と3者面談するんだけど、あなたの意見も聞きたいから今週は帰ってきてくれない?」切羽詰まって窓子は翔平に電話した。「子どもの教育は君に任せると言っただろう?心配だったら学校の先生の言うとおりにしておけば間違いないよ。悪いけど今週は大事なお客さんとの商談で大変なんだ。面談が終わったらまた内容を聞くよ。」I・いつも仕事・仕事、家族のことなんか何も考えてくれないそんな翔平に落胆する窓子であった。

 

次の週、翔平が関西に戻ると、窓子から「先生と面談して、〇〇高校を受験することにきめたわ。」と聞かされた。「俺に相談なしに、受験校を決めちやったの?一言聞いてくれよ!」と切換えした翔平に窓子の怒りが爆発した。「いつも相談しても、ぜんぜん聞いてくれなかったじやない!先生の言うとおりにしたら良いって言ったのはあなたでしよ!」「だからって、勝手に受験校まできめろとは言ってないぞ!」???。結局、仲直りできないまま、九州行きの新幹線の中で「このままじやいけないな」と自責の念に駆られる翔平であった。