ワークライフバランス 仕事と生きがい

ワークライフバランス 仕事と生きがい (矢口さんの場合)

 

矢口さんは40才のエンジニア、学生のころから地域のポランティアを続けている。現在は週末に介護施設でボランティアをしており、施設の人たちと話をし、喜ぶ顔を見るのが生きがいとなっている。また、経験も豊富で仕事も丁寧な矢口さんには、施設の老人たちからの信頼も厚い。

 

一方、職場は多忙で実質的なとりまとめ役として課長をサポートする立場にありながら、重要な顧客のサポートも任されている。休日はボランティアを優先し、ほとんど出勤はしていない状況だった。時には平日に休暇や半日休暇を取得してボランティアをすることもあった。客先への報告期限などとボランティアが重なったときは課の同僚に業務をサボートしてもらうこともあった。しかし職場においては、業務推進にむけて課をまとめているし、課長も部長も自分のよき理解者だと思っている。ところが、最近は海外市場での競争も激化していることから、スピーディーな客先対応を一層強化する部長方針が打ち出され、職場の雰囲気も変わってきているように感じる。一人一人に担当顧客が細かく分担され、期限を守るためにはこれまでのようなボランティア活動への參加が時間的に厳しくなってきた。

 

 

そんな中、役割成果面談で課長から「矢口さん、地域貢献も大切だと思うが、仕事あってのボランティアだとは思わないか。君の気持ちはよく分かるんだが、将来君にはこの職場を背負って立つ存在になってもらいたいんだ。そのつもりで重要な顧客も君に任せているし、取りまとめも任せているんだ。職場の若い連中も期待しているしよろしくたのむよ」

 

あまりの期待の大きさに、矢口さんは責任の重さを感じていた。次の日、ボランティアに行き、喜んで話しかけてくれる老人たちを見ていると、ますます悩んでしまう矢口さんであった。

 

 

ワークライフバランス 生きがいを考える

 

ワークライフバランス 生きがいを考える

 

 

1.子供と生きがい(富田さんの場合)

富田さんは現在40才。入社後、A製作所の設計部門に配属され、現在に至っている。家族は奥さんと子供1人の3人家族である。

富田さんは結婚した時に、仕事と家庭のバランスを保とうと思い、子供との触れ合いは大事にしてきた。子供が小さい頃は、休暇をとって授業參観に行ったり、長期連休には家族旅行に行くなどしてきた。最近は仕事が忙しい事もあって、以前のようには接する事ができないが、休日だけは子供との触れ合いを優先したいと、その時間は大きな心の支えとしていた。

 

現在、子供は小学5年生となり、帰宅後は塾やテニスなどの習い事を始めて、友達と遊ぶ暇なく頑張っている。今週末は何処に行こうかと金曜の夜、頑張って塾の宿題をしている子供に「明日の土曜日は、どこに遊びに行こうか?」と聞いてみると、「明日はテニスのテストがあるから行けない」と素っ気なく答えた。「じゃあ、日曜日は?」と聞くと、「友達と遊ぶ約束をしてるから行かない」といつもと違う返事が返ってきた。

 

ついこの前までは、休日は家族で楽しく過ごすひとときが嬉しく、子供が生きがいだと感じていた。まだ小学生だと思っていた子供は、自らの世界を歩きはじめようとしている。小さい頃は会社から帰ると抱きついてきた子供が、自分から離れて行く寂しさを強く感じていた。そういえば、後輩の若田くんが以前、「富田さん、子供ってかわいいですよね。うちの子供、やっと歩けるようになったんですよ。毎日子供の成長を感じることが生きがいになりました」と言っていたのをふと思い出し、昔の自分自身と重なった。

 

「俺も前は週末ごとに子どもと一緒に遊んでいたのに…。し\つまでも親とは一緒じやないんだなあ。」親元を離れて自立してゆく子どもの姿に、寂しさを隠しきれない富田さんであった。

 

ワークライフバランス 生きがいのある人生

 

ワークライフバランス 生きがいのある人生

 

あなたの生きがいは何ですか。

「私の生きがいは……。一体なんだろう」

毎日の会社と自宅の往復で多忙な一日が飛ぶように過ぎていきます。仕事が充実していて、そこに生きがいを感じることは職業人としては幸せなことでしよう。しかし、時間の経過と共に、仕事や会社組織を離れる時が確実に来るのです。

 

また、子供と一緒に過ごす時間が一番の生きがいだという人もおられることでしよう。しかし、子供も成長すると共に、やがて、親の手元から巣立っていくものです。

生きがいは時間と共に変化するものでしようが、あなた自身は生涯を通じて打ち込める何かを持っていますか。

 

人間がひとつの事に打ち込んでいる姿は美しく、時には感動すら与えます。このユニットでは、仕事と生きがいとの関係や、仕事を離れた楽しみなどについて考えると共に、生涯を通じて取り組めるライフワークを見つける糸口を設けています。

 

人生80年時代といわれる中で、「豊かな時間、豊かな空間、豊かな人間」につながるような、新たな生きがいの発見や創造につながれば幸いです。

 

 

働き方改革ワークライフバランス

 

働き方改革ワークライフバランス

 

 

「週末は初夏の陽気に」なんて予報を聞くと近郊の山に行きたくなります。この季節のブナ林の新緑は本当に美しい。森の空気は心のiみのようなものを消してくれます。妻と二人で出かけることが多いのですが、普段はあまり話さないこと、たとえばお互いの子ども時代の思い出などが話題になったりします。

 

ここ数年、山にも若い人がずいぶん増えました。小さなお子さんを連れたご夫婦も急な坂を上ってきます。すれ違う時にはあいさつを交わす習慣も健在です。海外の方も「コンニチワ」と返してくれます。出会った人と言葉を交わすのは実に気持ちの良いことです。山の楽しみのひとつです。

 

家族でも学校でも職場でも、朝夕、あいさつを交わすのは普通のことだと思っていましたから、「うちの職場はあいさつの習慣はないですね」なんてさらっと言われるとびっくりします。「どうしてですか?」って聞いても、「どうしてですかね。特に人間関係がぎすぎすしているわけでもないのですが…」。そんな職場が増えているようで、「なんとかしなきゃ」と、労使で「あいさつ運動」に取り組んでいる場所もあります。

 

あいさつするのに理由はいりません。この「理由がいらない」というのがあいさつの最大の特徴なのです。用事もないのに職場で話しかけることはできなくても、あいさつなら許されるのです。また、あいさつは会話の入り口でもあります。山でのあいさつは「困ったことがあれば言ってくださいね」という姿勢を示しあっているのです。職場でも同じです。

 

特に、部下をもつ方に申し上げたいと思います。部下への毎朝のあいさつは、「困った事、思うところがあれば言ってこいよ」という姿勢を示すことです。その気持ちをあいさつに込めてください。それから、部下からあいさつを受けた際に、「あ、〇〇君、この間の件だけど…」と仕事のフォローをいきなり切り出すのは考えものです。「あの上司に声をかけると必ず仕事のフォローが来る」と敬遠されます。帰りも同じです。「お先に失礼します」と声をかけた部下に「帰るときに悪いけど…」なんて、仕事の話を切り出すのはいただけません。「早く帰るときは上司に気付かれないようにそっと帰る」というのが部下の処方箋になります。

 

会社組織ですから、上長の示した方針に沿ラのは当然ですが、疑問に感じることがあれば堂々と意見する、上長も仲間も意見に耳を傾ける、そんな懐の深い職場が理想です。月並みですがまずは「あいさつから」ですかね。あいさつをするのに理由はいりませんから。

 

 

働き方改革とワークライフバランスの事例

 

働き方改革とワークライフバランスの事例

 

 

配偶者の海外転任に伴う休職制度の導入

 

人材確保がより必要とされていくなかで、経験を積んだ社員が、安心して働き続けられる環境整備は重要である。
また、休職中の海外生活は、復職後の新たなキャリア形成にもつながる機会にもなることから、配偶者の海外転任にて退職を選択せざるを得ない組合員が、働き続けられる環境を整備するために、「1力月以上3年以内の休職制度」の導入。

 

所定就業時間外、休日の就業免除の適用範囲拡大

 

満3歳以降も保育園の迎え、また就学以降も学校や学童保育などから帰宅する時間に合わせる必要がある。
子育て中の組合員が安心して働き続けられる璟境を整備するため、現行「満3歳到達までの乳児を持つ組合員」の適用範囲を「小学校卒業までの子を持つ組合員」へ拡大すること。

 

在宅勤務制度の条件拡大および利用単位の緩和

 

家族の病気、怪我などにより看護が必要となり、一定期間本人が出勤できない場合、休暇で対応をすることがある。

その期間を在宅勤務とすることで、職場や生産への影響を最小限にするため、取得条件に「家族の看護」を追加する。

子の学級閉鎖期間中や家族の一時的な病気、怪我の看護をする場合、また、保育期間に、月単位で一定期間利用ができる在宅勤務制度を望む声が多いことから「上限8日/月までとする月単位での利用」を可能とする。

 

 

ワークライフバランス 労働組合 労働協約

ワークライフバランス 労働組合 労働協約

 

2月です。

邪鬼を豆まきで追い払ったら、翌日は「立春」。
春と宣言するには早すぎるようですが、「寒さもここが峠。さあ、春を迎える準備をしよう」。
厳しい自然と向きあってきた先人たちはこう励ましあって春の始まりを祝ったのでしょう。

労働組合も春の準備にかかります。
まずは春季交渉です。
賃金、一時金、労働協約。
今月中旬に要求を提出します。相手があることですから、思うようにならないこともあります。
しかし、「日々の努力と苦労に会社はどう応えるのか」、職場の皆さんの真剣なまなざしが会社を動かします。
交渉当事者として、このことは毎年感じています。
会社とのやり取りひとつひとつに注目いただきたいと思います。

さて、会社業績は堅調で、売上高は過去最高になりそうです。
そのぶん生産負荷は高く、「部材手配、所内の設備能力、生産スペース、すべてがぎりぎり」といった、張り詰めたような声もお聞きします。
「所内、関係会社はもとより、取引先も含め、足元の生産体制を十分検証し、早急な対策をいただきたい」。
会社に強く要請をしています。

そんな苦労も多いわけですが、国内での生産を大切にしてきた会社の経営姿勢には共感しています。
安い人件費を求め、多くの企業が工場を海外に移しましたが、簡単にはあきらめず、私
たちは地道な改善を重ね、国内でのものづくりを守ってきました。
その活動は世界各地の生産拠点の模範となっており、グローバルでの業績を支えています。
粘り強く改善を続けてきた「職場の力」が、表面的な人件費の差なんかより大きかった、このことは私たちの誇りです。

「国内製造拠点は当社の一番の強み、今後も徹底して強くしていただきたい。
loTやAI(人工知能)といった新しい技術に注目が集まるが、この技術が私たちの製造現場の分厚い技能や職場風土と結びつけられれば、どこにも真似のできない力となる。
最先端の製造技術革新をまずは自社内で実現していただきたい」。
経営協議会で会社にこんな要請をしました。

生産のノウハウがデジタルで数値化され、個々人の熟練技能は必要とされなくなる、なんて言う人もいるようですが、そんな心配は無用です。
勘どころを押さえた品質の作り込みの経験、_人ひとりの高い意欲、仲間を思いやる職場の紳。
お互い支えあう職場の力を高めてきた私たちだからこそ、新しい技術による製造革新を担っていけると思います。

 

開発、設計、生産、販売、サービス、持ち場は違いますが、まじめに仕事に取り組む一人ひとりが主役。
その努力が会社の業績を支えています。
気概をもって会社との交渉に臨みます。

 

ワークライフバランス 働き方改革 具体例

ワークライフバランス 働き方改革 具体例

 

 

品質不具合、設計起因は機能設計もあるが、機能を実現するときの材料選定などの技術は下がってきていると認識している。潤沢に人を保有することが難しい中で、発本や生産本でしっかり育成い場所に呼んでもらうという活動を地道に進めている。どういう知見が抜けていたから問題を起こしたのか、DVD化して教育ツールとして展開している。技術検討書は属人化を排除する上で重要だと認識している。活用の段階においては、複数の技術検討書を読み返さなければならない状況も発生している現状もある。

 

生産設計力強化の観点や、製造工作技術部門からの意見の設計への反映などによる総合的なものづくり力強化が重要と考える。この視点での全社的な施策を確認させていただきたい。

ノウ八ウは関係会社に蓄積され、社員が把握できてし屯い現状や、昔のように先輩が背中を見せれば後輩が学んでくれる時代でもないことを踏まえると、設計ノウ八ウの形式知化は重要であると認識している。形式知化する作業を工夫するなど、引き継ぐ側のモチベーションをうまく向上させつつ取り組みをお願いしたい。

近年、製造起因の不具合も「作業要領書の不備、作業しにくい設計」に起因すると識別されることが多いと感じている。これは、過去からいくつかの事本で課題とされてきた、設計、製造、技術コミュニケーションの問題であると考える。以前は、図面会議などのホールドポイントにて、作りにくい構造になっているなどの、不具合の要因になる事象に対して製造技術部門が厳しく指摘する風土があった。最近はこのような風土が薄れていきていると感じている。設計部門と製造技術部門が相互に研鑽い組織全体でモノづくり力をスパイラルアップできる風土の再構築をお願いする。

 

 

ワークライフバランスと働き方改革

ワークライフバランスと働き方改革

 

若手組合員と話をすると「実際に働いてみると入社前のイメージと違う」「希望していた事業に携われない」といった意見をよく聞く。
将来、総合メーカーである当社を支える人材として、特定の事業、業務にこだわらない広い視野が持てるような取り組みをお願いしたい。また、事業内容や業務内容といったことを説明することも重要だが、「社会人として働く」ということをしっかりと理解してもらう取り組みもあわせてお願いしたい。

 

なお、リクルータについて、優秀な人材を確保するために時間を費やして対応しているが、業務負荷が高い時期にリクルート活動が重なることもあることから、丁寧に対応できる環境を整えていただきたい。

 

 

ワークライフバランス 事業間のシナジーを発揮する企業行動の強化

ワークライフバランス 事業間のシナジーを発揮する企業行動の強化

 

当社のそれぞれの事業を強くしてきた力は、事本、場所が自らの事業を守り成長させることにこだわりぬいてきた独立性にあったともいえる。
その独立性は強みである一方、事業間連携や新事業育成にとっては弱みになっていると感じている。

その典型は複数事業を経験する戦略的異動の少なさである。
場所の中でさえ部の独立性が高く、経験を積んだ人材を手放さず、人材交流が乏しい。
事業間連携を強めるために、横断的部署やプロジェクトを作っても、兼務者の多い組織となり、設立趣旨にそったパフォーマンスを発揮できないケースもある。

 

事業の枠を超えた連携の実現はソリューションカの向上のみならず、市場攻略の戦術、海外工場の経営、設計プ□セスの改善や組織運営のノウ八ウまでさまざまなシナジー効果を生むと考える。
事業間の壁に時には穴をあけることも大切だが、自分の事業を守る体質を変えるのは容易ではないと実感することが多い。

それゆえに、事業間シナジーを生む企業行動は経営トップの決断によるところが大きいとの視点でこの場で提起させていただぎたい。

 

 

ワークライフバランスと働き方改革

ワークライフバランスと働き方改革

 
仕事に苦労はつきものです。

やっと目途がついたと思った矢先、また問題がみつかって後戻り。

そんなこともあります。

「期限に間にあうよう頑張ってくれ」と上長からもをかけられます。

「いつも正念場じゃ力も入らないよ」と(心の中で)つぶやきます。

忙しい状態がいつまでも続くようでは職場の人間関係もギスギスしがちで、体にこたえます。
「高い負荷が続いている職場には、会社幹部が自ら出向いて状況を確かめていただきたい。速やかに手立てを講じていただかないとこれ以上、協力はできません」。

会社に苦言を呈することになります。

あたりまえのことですが、同じ苦労をするなら、やり終えた時に仲間と一緒に達成惑を感じ、経験値や実力が上がったと実感できる、そんな気持ちのよい苦労をしたいものです。

経営側の皆さんに申し上げていることは、現実を見据え、時には目標を修正する決断が必要な時もあるということです。

「先を焦らず、すこしくらい遠回りをしてでも、しっかり検討して着実に進もう」。

こういう判断が結果として仕事の効率を上げ、長い目で見れば人と職場を育てます。

それが経営管理というものです。

私たち働く側に求められるのは、いつもお互いを気遣い、支えあう、ひとりで悩ませない、苦労を抱え込ませない、そんな職場づくりです。

これが職場の力。苦しい時にほかでもない、私たち自身を守ってくれる大切な力です。