ワークライフバランス 生きがいを考える

 

ワークライフバランス 生きがいを考える

 

 

1.子供と生きがい(富田さんの場合)

富田さんは現在40才。入社後、A製作所の設計部門に配属され、現在に至っている。家族は奥さんと子供1人の3人家族である。

富田さんは結婚した時に、仕事と家庭のバランスを保とうと思い、子供との触れ合いは大事にしてきた。子供が小さい頃は、休暇をとって授業參観に行ったり、長期連休には家族旅行に行くなどしてきた。最近は仕事が忙しい事もあって、以前のようには接する事ができないが、休日だけは子供との触れ合いを優先したいと、その時間は大きな心の支えとしていた。

 

現在、子供は小学5年生となり、帰宅後は塾やテニスなどの習い事を始めて、友達と遊ぶ暇なく頑張っている。今週末は何処に行こうかと金曜の夜、頑張って塾の宿題をしている子供に「明日の土曜日は、どこに遊びに行こうか?」と聞いてみると、「明日はテニスのテストがあるから行けない」と素っ気なく答えた。「じゃあ、日曜日は?」と聞くと、「友達と遊ぶ約束をしてるから行かない」といつもと違う返事が返ってきた。

 

ついこの前までは、休日は家族で楽しく過ごすひとときが嬉しく、子供が生きがいだと感じていた。まだ小学生だと思っていた子供は、自らの世界を歩きはじめようとしている。小さい頃は会社から帰ると抱きついてきた子供が、自分から離れて行く寂しさを強く感じていた。そういえば、後輩の若田くんが以前、「富田さん、子供ってかわいいですよね。うちの子供、やっと歩けるようになったんですよ。毎日子供の成長を感じることが生きがいになりました」と言っていたのをふと思い出し、昔の自分自身と重なった。

 

「俺も前は週末ごとに子どもと一緒に遊んでいたのに…。し\つまでも親とは一緒じやないんだなあ。」親元を離れて自立してゆく子どもの姿に、寂しさを隠しきれない富田さんであった。

 

ワークライフバランス 生きがいのある人生

 

ワークライフバランス 生きがいのある人生

 

あなたの生きがいは何ですか。

「私の生きがいは……。一体なんだろう」

毎日の会社と自宅の往復で多忙な一日が飛ぶように過ぎていきます。仕事が充実していて、そこに生きがいを感じることは職業人としては幸せなことでしよう。しかし、時間の経過と共に、仕事や会社組織を離れる時が確実に来るのです。

 

また、子供と一緒に過ごす時間が一番の生きがいだという人もおられることでしよう。しかし、子供も成長すると共に、やがて、親の手元から巣立っていくものです。

生きがいは時間と共に変化するものでしようが、あなた自身は生涯を通じて打ち込める何かを持っていますか。

 

人間がひとつの事に打ち込んでいる姿は美しく、時には感動すら与えます。このユニットでは、仕事と生きがいとの関係や、仕事を離れた楽しみなどについて考えると共に、生涯を通じて取り組めるライフワークを見つける糸口を設けています。

 

人生80年時代といわれる中で、「豊かな時間、豊かな空間、豊かな人間」につながるような、新たな生きがいの発見や創造につながれば幸いです。

 

 

働き方改革ワークライフバランス

 

働き方改革ワークライフバランス

 

 

「週末は初夏の陽気に」なんて予報を聞くと近郊の山に行きたくなります。この季節のブナ林の新緑は本当に美しい。森の空気は心のiみのようなものを消してくれます。妻と二人で出かけることが多いのですが、普段はあまり話さないこと、たとえばお互いの子ども時代の思い出などが話題になったりします。

 

ここ数年、山にも若い人がずいぶん増えました。小さなお子さんを連れたご夫婦も急な坂を上ってきます。すれ違う時にはあいさつを交わす習慣も健在です。海外の方も「コンニチワ」と返してくれます。出会った人と言葉を交わすのは実に気持ちの良いことです。山の楽しみのひとつです。

 

家族でも学校でも職場でも、朝夕、あいさつを交わすのは普通のことだと思っていましたから、「うちの職場はあいさつの習慣はないですね」なんてさらっと言われるとびっくりします。「どうしてですか?」って聞いても、「どうしてですかね。特に人間関係がぎすぎすしているわけでもないのですが…」。そんな職場が増えているようで、「なんとかしなきゃ」と、労使で「あいさつ運動」に取り組んでいる場所もあります。

 

あいさつするのに理由はいりません。この「理由がいらない」というのがあいさつの最大の特徴なのです。用事もないのに職場で話しかけることはできなくても、あいさつなら許されるのです。また、あいさつは会話の入り口でもあります。山でのあいさつは「困ったことがあれば言ってくださいね」という姿勢を示しあっているのです。職場でも同じです。

 

特に、部下をもつ方に申し上げたいと思います。部下への毎朝のあいさつは、「困った事、思うところがあれば言ってこいよ」という姿勢を示すことです。その気持ちをあいさつに込めてください。それから、部下からあいさつを受けた際に、「あ、〇〇君、この間の件だけど…」と仕事のフォローをいきなり切り出すのは考えものです。「あの上司に声をかけると必ず仕事のフォローが来る」と敬遠されます。帰りも同じです。「お先に失礼します」と声をかけた部下に「帰るときに悪いけど…」なんて、仕事の話を切り出すのはいただけません。「早く帰るときは上司に気付かれないようにそっと帰る」というのが部下の処方箋になります。

 

会社組織ですから、上長の示した方針に沿ラのは当然ですが、疑問に感じることがあれば堂々と意見する、上長も仲間も意見に耳を傾ける、そんな懐の深い職場が理想です。月並みですがまずは「あいさつから」ですかね。あいさつをするのに理由はいりませんから。